おんらいん?
ん?オンラインでインターンシップって、いったい何ができるの?
学校の授業がオンラインとなり2か月が経った。
オンライン授業の次はオンラインのインターンとは、世の中どれだけ技術が進歩しているん だと感心した。しかし次の瞬間には、不安が襲ってきた。インターンシップ自体が初めてな のにもかかわらず、現地で働くことができない状況に困惑したからだ。それでも、せっかく の夏休みに何も挑戦しないことはもったいないと思い、インターンシップ参加を決意した。
8月下旬にインターンシップが開始された。オンライン授業のおかげで、オンラインでのコ ミュニケーションに慣れていたことがあり、当初の不安はどこかへ行った。受け入れ企業先 の株式会社はなひろの塙社長と、他のインターン生2人で今後の活動方針や塙社長の福ひろ ばに関する想いをお伺いした。介護業界の話をした際に気になる点があった。それは、介護 業界にITがあまり広まっていないということだった。
介護業界では、直接会うことが大切にされてきた。
それは、言葉で伝えられない雰囲気や、健康状態を見ることのできる顔色などがあるため だった。しかし、2020年に新型感染症が流行したことにより、直接会うことが難しくなっ た。居住型の施設では、ご家族との面会が制限された。世の中は、会議やセミナーを行うた めに、オンライン化へと流れていったが、介護業界では、もともとIT化がそれほど進んでい なかった。事業所間のやりとりなどを、パソコンを使ったメールよりFAXを好んで使用する 事業所もあるほどだ。
このままでは、福ひろばに関するヒアリングをオンライン上でやることは難しい。
当初の活動目的は、福ひろばのよりよい活用のためであったが、介護業界のIT化も目的の1 つとなった。
介護業界IT化促進のために行ったことは2つ。まず、セミナーや会議でよく利用されている 「zoom」の基本的な使用方法を記したマニュアルを作成。もう1つは、パソコン画面を使用 しながらマニュアルの内容を説明した動画作成である。この2つでまずzoom使用を介護業 界に広めようとした。
zoom使用方法動画作成中に、福ひろばに関するヒアリングのため、ケアマネジャーさんや 事業所の方にインタビューを行った。インタビューの対象はzoomでインタビュー可能と回 答した塙社長のお知り合いの方々だった。
しかし、実際にインタビュー中にお話を伺うとzoomを使用するのは初めてという声が聞か れた。そこで、どうして介護業界にITが広まっていないのか質問してみると、以下の内容の 回答を得た。
・介護業界では、直接会うことが大切にされてきた。→言葉で伝えられない雰囲気や、健康 状態を見ることのできる顔色などがあるため
・機械に詳しい職員が多く在籍していなかった。→実際に機械に詳しい職員が在籍するよう になってからオンライン面会の設備が整うようになった
・地方だから
・日々の業務が忙しく、IT整備の時間がないため
・FAXは手書きの温かさを感じるため
・働く職員の年齢層が高いから
現場で働く職員さんだから気づくことのできたポイントだと感じた。人間の温かみを感じる ため、直接顔を合わせた会話を大切にしているからこそ、IT化が広まらなかったのだ。しか しインタビューの最後には、「zoomで、きちんと顔を合わせて会話できるんだね」と安堵 の声をいただいた。もちろん初めて行うことに対して、不安や疑いを持つことは当然だ。IT
が介護業界に広まらなかったのは、zoomなどITの産物を試す機械や知る場が、今までな かったのではないかと考えた。
インターンの活動をする際に、特にオンラインということもあり、表情や話し方、言葉選び に注意した。直接顔を合わせた会話では、表情や話し方、言葉選びにプラスして、身振り手 振りでも表現できるが、オンライン上ではカメラに身振り手振りが映らない場合がある。相 手に自分の考えや意見を端的にわかりやすく伝えることに気を付けた。こうしたことは、と ても良い学びの場であった上に、良い経験になった。
介護業界IT化のために、zoomマニュアルと動画を作成した。まずは知ることから、少しで も介護業界の方がzoomに興味を持ち、これからのIT化につなげていければと思う。
オンラインインターンシップで、受け入れ企業様に貢献できるか不安だったが、 オンラインだからこそ気がつき、行動できた。
神田外語大学 大木 夏