「もっと利用者さんとの時間を増やしたい」——そう思いながらも、記録業務に追われている介護スタッフは今も多くいます。2026年、AIを活用した記録支援ツールが急速に進化し、その現場の悩みを変える選択肢が続々と登場しています。今回は、介護事業所の経営者・管理者が今すぐ押さえておきたい「介護AI記録」の最新動向を3つご紹介します。
Google Geminiが介護現場に届いた──「ケア記録アシスト」とは?
2026年3月27日、Googleは日本の介護従事者向けに新しいAIツール「ケア記録アシスト」を公開しました。GeminiアプリのGem機能として提供されており、スタッフが音声メモや手書きメモの写真を入力するだけで、SOAP形式・F-DAR形式の介護記録のドラフトが自動生成されます。記録作成時間の約20%削減が見込まれており、Googleは複数の介護現場を実際に訪問し、スタッフのフィードバックを積み上げながら設計したとしています。セキュリティ面では、AIが生成した下書きは必ず担当スタッフが確認・承認してから正式記録になる「ヒューマン・イン・ザ・ループ」設計を採用。入力したデータがAIモデルの学習に使われない仕組みも整えられており、現場の安心感にも配慮した仕様となっています。
押さえておきたいポイント
- 音声メモ・手書きメモ写真からSOAP/F-DAR形式の記録ドラフトを自動生成
- 記録作成時間を約20%削減(Google発表)
- 施設ごとの書式・用語に合わせてカスタマイズ可能
- AIドラフトはスタッフが確認・承認してから正式記録に(ヒューマン・イン・ザ・ループ設計)
- Geminiはケアマネジャー試験2026年版で99.7%の回答精度を達成
出典:Google Japan ブログ、介護ニュースJoint
業界初!介護専用クラウド内でAIが議事録を自動生成──カナミックネットワーク
介護現場では、サービス担当者会議やケアカンファレンスのたびに、30分〜1時間の議事録作成が必要になります。「会議が終わった直後から記録に追われる」という声は、現場管理者の間でも珍しくありません。カナミックネットワーク株式会社は2026年3月23日、介護専用クラウドソフトとして業界初となる「AI介護議事録作成」機能をリリースしました。会議の録音データをシステムに取り込むだけで、AIが議事録のドラフトを自動生成。スタッフは確認・追記・修正に集中できるようになり、議事録作成に伴う業務負担が大きく減ります。外部ツールを使わずシステム内で完結できる点も、情報管理の観点から安心です。
押さえておきたいポイント
- 介護専用クラウドソフト内で完結(外部ツール不要)
- 会議の録音データからAIが議事録ドラフトを自動生成
- スタッフの確認・追記作業に専念できる体制に
- 議事録作成スキルの平準化にも効果
- カナミッククラウドサービス利用事業者から順次対応
介護情報基盤が2026年4月に始動──記録のICT化が「備え」の段階に
2026年4月、国が整備を進めてきた「介護情報基盤」の段階的な運用がスタートしました。これは、ケアプラン・モニタリング・報酬請求データなどを電子的に一元管理し、医療・介護・福祉の多職種がリアルタイムで情報共有できるインフラです。全市町村での本格運用は2028年4月が目標とされていますが、先行している自治体ではすでに「医師・ケアマネ・訪問看護師が同じ情報を見ながら話し合える」環境が整いつつあります。経営者・管理者の方々にとっては、この基盤と円滑につながるために、ICT記録ツールの整備を今から進めておくことが現実的な備えになります。「いずれは対応しなければ」ではなく、「今の準備が将来の連携力を決める」という意識の転換が求められています。
押さえておきたいポイント
- 2026年4月から段階的運用開始、2028年4月に全市町村展開予定
- ケアプラン・モニタリング・報酬請求データを電子的に一元管理
- 医療・介護・福祉の多職種がリアルタイムで情報共有可能に
- ICT記録ツールの整備が将来的な情報基盤への接続に直結
- 政府の介護DX推進施策の中核インフラとして位置づけられている
出典:renue株式会社
介護・障がい福祉現場の研修事情と福ひろばラーニング
介護・障がい福祉の現場では、慢性的な人手不足の中で毎日の業務をこなしながら、法定研修の開催も義務として課されています。テーマの選定、資料の準備、スタッフの時間調整——これだけで毎月相当な労力がかかります。しかも、夜勤・パート・短時間勤務など多様な働き方のスタッフが揃っている中で、全員が一堂に集まれる研修日を設けること自体が難しい。「やらなければならないのはわかっている。でも、どうやって回せばいいのか」と悩みながら開催しているのが、多くの事業者の実情ではないでしょうか。
私たちはなひろも郡山・矢祭で介護事業所を運営しているので、この大変さはよくわかります。だからこそ、同じ悩みを持つ事業者の方々に紹介したいのが「福ひろばラーニング」です。
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(詳しくは記事末尾のご案内をご覧ください)
まとめ
2026年は、介護現場の「記録業務」をAIが静かに、しかし着実に変えている年です。Google GeminiのAI記録支援、カナミックの議事録自動生成、そして国の情報基盤整備と、さまざまな角度から「記録の負担を減らし、利用者さんと向き合う時間を増やす」動きが加速しています。大規模な投資や体制変更が必要なものばかりではありませんので、まずはご自身の事業所の現状と照らし合わせながら、使えそうなものから検討してみてください。
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