2026/07/06

介護記録AIが「話すだけ」で完成する時代へ:ながらかいご・むすぼなAI・ワイズマン最新動向【介護事業所の経営者・管理者向け】

「今日も記録に追われて定時に帰れなかった」——そんな一日を過ごした経営者・管理者の方は少なくないはずです。ところが今、介護記録は「話すだけで完成する」という段階に入りつつあります。今週は、音声AIで介護記録を自動生成する最新サービス3つの動向をお届けします。

「ながらかいご」——ケアしながら話すだけで記録が完成、6,200万円調達で全国展開へ

日々の業務に追われながら、利用者さんとの会話の合間にも記録の時間に追われている——そんな悩みを抱える現場は今も少なくありません。そうした中、スタッフがスマートフォンを持って利用者さんと会話するだけで、AIがその内容をリアルタイムに記録・整理し、SOAP形式の法定書類まで自動生成する音声AIサービス「ながらかいご」が急速に存在感を高めています。

「記録のために話す」のではなく「ケアをしながら話すこと自体が記録になる」という発想が特徴で、開発元は2026年、スタートアップの祭典「スタートアップフェス2026」で最優秀賞を受賞し、6,200万円の資金調達を完了、全国展開を加速させています。導入施設からは、年間1万時間以上の記録業務削減、人件費換算で年間約1,000万円のコスト削減効果が報告されており、記録に割かれていた時間をケアそのものに振り向けられる可能性が見えてきました。

押さえておきたいポイント

  • 「話すだけで記録が完成する」という発想が、記録業務の負担そのものを見直すきっかけになっている
  • 導入施設では年間1万時間以上の記録業務削減、約1,000万円/年のコスト削減効果が報告されている
  • スタートアップとしての資金調達・受賞実績もあり、今後の全国展開・機能拡充が見込まれる

出典:https://nagarainc.co.jp/nagarakaigo

ワイズマンが音声記録AIオプションを正式リリース——インカムの会話がそのまま記録に

音声入力による介護記録の自動化は、大手介護システムベンダーにも広がっています。介護ソフトウェア大手のワイズマンは2026年3月、インカムを通じてスタッフが発した音声から介護記録の入力を支援する「音声記録AIオプション」を正式にリリースしました。

インカムアプリ「BONX WORK」と連携し、現場での業務中の会話をそのまま記録データとして活用できる点が特徴です。バイタル測定値や利用者の様子など、断片的な発話をAIが文脈に沿って読みやすい文章に整形するため、特別な操作を意識せず、いつもの業務の延長で記録が残る仕組みになっています。大手ベンダーが同様の機能を標準搭載し始めたことは、音声記録AIが一部の先進的な事業所だけのものではなく、業界全体のスタンダードへと広がりつつあることを示しています。

押さえておきたいポイント

  • 大手介護ソフトベンダーのワイズマンが2026年3月に音声記録AIオプションを正式リリース
  • インカムアプリ「BONX WORK」と連携し、通常業務中の会話がそのまま記録データになる
  • 音声記録AIが一部の先進事業所から業界標準へと広がる転換点になっている

出典:https://www.wiseman.co.jp/news/welfare/voicerecordingai/

「むすぼなAI」が201法人・10万人超に拡大——BONXイヤホンで会話が自動記録

介護・医療業界向けの生成AIサービス「むすぼなAI」も、導入実績を大きく伸ばしています。株式会社やさしい手が開発したこのサービスは、Amazon社の生成AI基盤「Bedrock」を活用し、2024年10月のリリースからおよそ1年半で全国201法人・利用者10万人超という規模に成長しました(2026年4月時点)。

現場のスタッフはBONXイヤホンを装着していつも通り業務を行うだけで、会話内容が自動的にデータとして蓄積され、AIが介護記録書を作成します。特別な操作や記録のための時間を新たに設ける必要がなく、既存の業務フローに自然に組み込める点が、短期間での大規模な導入につながった理由の一つと考えられます。

押さえておきたいポイント

  • 「むすぼなAI」はリリースから約1年半で全国201法人・利用者10万人超に拡大(2026年4月時点)
  • BONXイヤホン装着で業務中の会話が自動記録され、AIが介護記録書を作成する仕組み
  • 既存の業務フローに組み込める設計が、短期間での普及を後押ししている

出典:https://musubona.plamado.com/ai/

介護・障がい福祉現場の研修事情と福ひろばラーニング

人手不足が慢性化する中、日々の業務に追われながらも、法定研修は義務としてなくすわけにはいきません。テーマ選び、資料づくり、スタッフの日程調整だけで毎月かなりの時間が削られてしまいます。夜勤明けのスタッフ、パートで働くスタッフ、短時間勤務のスタッフ…全員が一堂に集まれる日を見つけること自体が難しく、「悩みながらも何とか開催している」というのが、多くの事業者に共通する実情ではないでしょうか。私たちも郡山・矢祭で介護事業所を運営しているので、この大変さはよくわかります。

福ひろばラーニングは、そうした悩みに向き合う中で生まれた選択肢の一つです。スマホで7分ほどで読み終わるコースをLINEやメールで配信し、集合する必要もなく、スタッフはスキマ時間に自分のペースで受講できます。ただ短時間で済ませることだけを目指したものではなく、介護現場の経験を踏まえて監修された、実務に直結する内容であることを大切にしています。各コースの末尾には小テストがあり、理解度を確認しながら繰り返し受講することも可能です。修了証も発行されます。配信後、受講が済んでいないスタッフには自動でリマインドが届くため、スタッフ自身のペースを尊重しながら、学びが途中で止まってしまうことを防ぐ仕組みも備えています。(詳しくは記事末尾のご案内をご覧ください)

まとめ

音声AIによる介護記録の自動化は、スタートアップから大手ベンダーまで広がりを見せており、「記録に追われる」働き方そのものが変わりつつある段階に来ています。導入形態も、専用アプリ型・インカム連携型・既存業務フロー組み込み型とさまざまで、自事業所の運用に合った形を選べる選択肢が増えてきました。まずは自事業所の記録業務のどこに時間がかかっているかを整理し、各サービスの資料や実証事例を確認することから始めてみてはいかがでしょうか。


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