2026/08/10

介護記録AIの最新事例2選|書類作成・家族連絡の自動化と「記録45分→5分」の実践報告【介護事業所の経営者・管理者向け】

「議事録や記録の作成に、今日も定時後の時間を使ってしまった」——そんな一日を過ごしている介護事業所の経営者・管理者の方も多いのではないでしょうか。2026年8月に入り、書類作成や家族対応を支えるAIサービスの提供開始や、実際の現場でAIがどれだけ記録業務を変えたかを数字で示す実践報告が相次いで発表されました。今回は、介護記録AIの最新動向を2件、厳選してお届けします。

帳票作成と家族連絡をAIが同時に支援|ビズウインド「CarePlanAI Clerk」「CareTalkAI Clerk」

株式会社ビズウインドは2026年8月1日、介護現場の書類作成を支援するAIサービス「CarePlanAI Clerk」と、家族対応を支援する「CareTalkAI Clerk」の提供を同時に開始しました。CarePlanAI Clerkは、相談票や議事メモ、ケアプランなどの書類・会話の音声からAIが必要な情報を自動で抽出し、利用者ごとに一元管理。基本情報・アセスメント・通所介護計画書といった帳票をExcelやPDFへ自動で作成します。CareTalkAI Clerkは、職員が残した短いメモをもとに家族向けの連絡文を作成し、家族からの返信を欠席連絡・服薬変更・体調相談などに自動分類。未読・未対応・要確認の状況を一覧で管理できます。加えて、外国人介護職員向けに母国語の記録を自然な日本語へ変換したり、申し送りや業務指示を母国語へ翻訳したりする機能も搭載されており、多国籍化が進む介護現場を意識した設計になっています。料金はPoC費用・初期構築費・月額運用費・従量課金の4区分で、事業所ごとの個別見積りとなります。

押さえておきたいポイント

  • 相談票・ケアプランなどの書類や音声からAIが情報を抽出し、帳票をExcel・PDFへ自動作成
  • 家族への連絡文作成と返信の自動分類で、未対応の連絡を一覧管理できる
  • 外国人職員向けの母国語⇔日本語の記録・申し送り翻訳機能も搭載

出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000013.000085000.html

「記録業務が45分から5分に」|日本介護経営学会AI分科会・実践報告会でケアマネジャーが語った変化

特定非営利活動法人日本介護経営学会のAI分科会は2026年8月1日、東京都内とオンラインのハイブリッド形式で「第2回実践報告会」を開催しました。登壇したのは、茨城県つくば市の居宅介護支援事業所「おはなリハ ケアマネステーション」の代表です。テーマは「記録業務が45分から5分に」で、現役ケアマネジャーの立場から、AI導入で現場がどう変わったかを具体的なエピソードとともに語りました。同事業所では、音声記録AI要約サービス「ミルモレコーダー」と、パソコン作業を自動化する「ミルモオートメーション」を段階的に導入。支援経過や議事録の作成にかかる時間が、職員1人あたり月20時間から月5時間へと、約75%削減されたといいます。あわせて、年間離職率が30%から0%に改善し、採用応募者数も年間4〜5名から15名以上に増加したと報告されました。記録時間の削減が、職場定着や採用にまで波及した点が注目されるポイントです。

押さえておきたいポイント

  • 支援経過・議事録の作成時間が職員1人あたり月20時間→月5時間(約75%削減)
  • 年間離職率30%→0%、採用応募者数も年4〜5名→15名以上に増加
  • 音声記録AI「ミルモレコーダー」とパソコン作業自動化「ミルモオートメーション」を段階導入

出典:https://www.atpress.ne.jp/news/617825

介護・障がい福祉現場の研修事情と福ひろばラーニング

人手不足の中、日々の業務に追われながらも、法定研修は義務として毎年必ず開催しなければなりません。テーマ選び、資料準備、スタッフの時間調整……毎月これだけで相当な時間がかかりますし、夜勤やパート、短時間勤務など働き方が多様な現場では、スタッフ全員が一堂に会すること自体が簡単ではありません。「なんとか工夫しながら開催している」というのが、多くの事業者の実情ではないでしょうか。私たちはなひろも郡山・矢祭で介護事業所を運営しているので、この大変さは身にしみてよくわかります。

同じ悩みを持つ事業者の解決策の一つが「福ひろばラーニング」です。大切にしているのは、ただ早く終わらせることではありません。スマホで7分読み終わるコースをLINEやメールで配信し、スキマ時間に集合不要で受講できる効率化に加えて、介護現場の経験を踏まえて監修された、実務に直結する内容の質を大切にしています。さらに各コース末の小テストで理解度を確認でき、繰り返し受講や修了証発行にも対応。スタッフ自身のペースで進められる主体性と、配信・未受講への自動リマインドが、学びを続ける仕組みを支えています。(詳しくは記事末尾のご案内をご覧ください)

まとめ

書類作成の自動化から、記録時間の劇的な短縮までAIを取り込む動きは、介護現場のさまざまな場面に広がってきています。特に「記録業務が45分から5分に」という報告は、時間の削減だけでなく離職率や採用にも良い影響を与えたという点で、経営面から見ても示唆に富む事例です。すべてを一度に導入する必要はありません。まずは自事業所で最も時間がかかっている記録や連絡業務を洗い出し、近い課題を解決している事例から情報収集を始めてみてはいかがでしょうか。


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この記事の監修
監修者 塙啓之

塙 啓之はなわ ひろゆき
株式会社はなひろ 代表取締役

介護業界で25年以上、現場・介護施設の管理者・ケアマネジャー(介護支援専門員)を経験。2013年に株式会社はなひろを設立し、福島県須賀川市・郡山市・矢祭町でデイサービスなどの介護事業所を運営しています。一般社団法人 全国介護事業者連盟 福島県支部 副支部長。

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