「ケアプラン作成にAIを使ってみたいけれど、実際どこまで現場で使えるものなのか分からない」——そう感じている経営者・管理者の方も多いのではないでしょうか。2026年8月は、学会での実践報告や新たな情報連携基盤の運用開始など、介護DXの「いま」を示すニュースが相次ぎました。今回は、ケアプランAI・情報連携・記録業務の効率化という3つの切り口から、現場に直結する最新動向をお届けします。
日本介護経営学会「AI分科会 第2回実践報告会」開催|ケアプラン作成支援AIの実践例が続々
2026年8月1日、東京都内で日本介護経営学会主催の「AI分科会 第2回実践報告会」が開催されました(現地・オンラインのハイブリッド形式)。「AIが拓く介護・医療の未来~政策・実装・現場をつなぐ~」をテーマに、ケアプラン作成支援、記録の自動化、見守り、人材マッチングなど、AI活用の実践報告が行われています。登壇企業の一つである株式会社Rehab for JAPANは、個別リハビリ計画の提案やモニタリング報告、メッセージ作成の自動化に取り組む自社サービスの実践データを共有し、データの見える化やケアの質の標準化、生産性向上に向けた提言を行いました。こうした事例発表からは、AIがケアマネジャーの「考える時間」を代わりに奪うのではなく、確保する方向で活用され始めていることが見えてきます。
出典: https://rehabforjapan.com/news/202607281308/ / https://www.atpress.ne.jp/news/616998
押さえておきたいポイント
- 2026年8月1日開催の「AI分科会 第2回実践報告会」で、ケアプラン作成支援など複数の実践事例が報告された
- ケアプランAIは「代替」ではなく、ケアマネジャーの検討・調整の時間を確保する方向で使われ始めている
- 個別リハ計画やモニタリング報告の自動化など、活用範囲は記録業務以外にも広がっている
「介護情報基盤」が2026年4月にスタート|情報連携の土台づくりが進行中
要介護認定情報やLIFEデータ、ケアプランなどを、利用者の同意のもとで事業所・医療機関・市町村がオンラインで共有できる「介護情報基盤」について、2026年4月から、介護保険事務システムの標準化を終えた自治体から順次運用が始まっています。標準化対応の期限は2027年1月とされており、2028年4月には全市町村での本格運用開始が予定されています。基盤が整備されれば、認定情報やケア内容を関係機関がこれまでより速やかに共有できるようになり、ケアプラン作成や多職種連携にかかる確認作業の負担軽減が期待されます。事業所側としては、自治体の対応スケジュールに合わせて、自社システムの標準化対応を計画的に進めておくことが今後の実務上のポイントになりそうです。
出典: https://www.joint-kaigo.com/articles/28421/ / https://hojyokin-portal.jp/columns/kaigojyohokiban_jyoseikin
押さえておきたいポイント
- 「介護情報基盤」は2026年4月から自治体ごとに順次運用開始、2028年4月に全市町村での本格運用を予定
- 標準化対応の期限は2027年1月。事業所側も自治体の動きに合わせた準備が必要
- 認定情報・LIFEデータ・ケアプランなどの共有により、多職種連携時の確認負担の軽減が見込まれる
福祉DX推進AIクラウド「Hope Care」シリーズ、累計ユーザー1,000突破
株式会社オルデンティアコーポレーションが提供する福祉DX推進AIクラウド「Hope Care」シリーズが、2026年8月、累計ユーザー数1,000を突破したと発表しました。日々の記録や既存書類、支援場面の記録などをもとにAIが書類作成を支援する仕組みで、複数拠点・複数利用者の情報を一元管理しながら、書類作成や分析にかかる時間を減らすことを目指した設計になっています。こうした介護・障がい福祉に特化したAIクラウドの利用拡大は、業務効率化のツールが一部の先進的な事業所だけでなく、より幅広い現場に広がりつつあることを示す動きといえます。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000021.000168115.html
押さえておきたいポイント
- 福祉DX特化型AIクラウド「Hope Care」シリーズが累計ユーザー1,000を突破(2026年8月発表)
- 日々の記録や支援場面の記録をもとに、AIが書類作成を支援する仕組み
- 特化型AIツールの活用が一部の先進事業所にとどまらず、現場全体に広がりつつある
まとめ
2026年8月は、学会での実践報告、介護情報基盤の運用開始、AIクラウドの利用拡大と、介護DXが「実験段階」から「現場に根づく段階」へと移りつつあることを示すニュースが重なりました。ケアプランAIや情報連携基盤は、業務の一部をただ代わりに担うというより、ケアマネジャーや職員が本来の判断や利用者との関わりに時間を使えるようにするための土台として広がりつつあります。まずは自事業所で使っているシステムが、こうした基盤整備や周辺サービスとどうつながっていくのかを確認するところから始めてみてはいかがでしょうか。
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介護業界で25年以上、現場・介護施設の管理者・ケアマネジャー(介護支援専門員)を経験。2013年に株式会社はなひろを設立し、福島県須賀川市・郡山市・矢祭町でデイサービスなどの介護事業所を運営しています。一般社団法人 全国介護事業者連盟 福島県支部 副支部長。






