2026/08/19

介護ICT補助金の対象拡大と見守りセンサー導入事例|AI転倒検知システムの最新動向【2026年8月・介護事業所の経営者・管理者向け】

「見守りセンサーを入れたいけれど、どの補助金が使えるのか分からない」——8月に入ってから、そんな声を特に多く耳にします。令和8年度の介護テクノロジー導入支援事業は対象分野が広がり、各地で公募が本格化しています。今回は最新の補助金動向と、実際に見守りセンサーを導入した施設の事例、そしてAIによる転倒検知技術の広がりについてお伝えします。

令和8年度介護テクノロジー導入支援事業、対象分野が拡大|8月時点の実施状況

厚生労働省が実施要綱を都道府県に発出したことを受け、令和8年度の介護テクノロジー導入支援事業は5月から8月にかけて各地で公募が進んでいます。今年度からは対象が9分野16項目に広がり、移乗支援・移動支援・排泄支援・見守り・介護業務支援などに加えて、障害福祉分野の事業所も本格的に対象へ加わりました。補助率は要件を満たせば最大4/5まで引き上げられており、見守り機器やインカム、介護記録ソフトの導入が重点的に支援される内容になっています。介護記録ソフトについては職員数に応じて100万〜250万円、端末やWi-Fi環境の整備を含める場合はさらに上乗せがある仕組みです。ただし申請条件やスケジュールは都道府県ごとに異なり、短い公募期間や説明会への参加が必須とされているケースもあるため、早めの情報収集が欠かせません。

押さえておきたいポイント

  • 対象が9分野16項目に拡大し、障害福祉分野の事業所も対象に
  • 要件を満たせば補助率は最大4/5まで引き上げ
  • 申請条件・スケジュールは都道府県ごとに異なるため早めの確認が必要

出典:介護テクノロジー関連補助事業 都道府県の実施状況(8月17日更新)介護ロボット・ICT導入で最大補助率3/4!令和8年度 介護テクノロジー導入支援事業の活用ガイド

非カメラ型の見守りセンサーで「予防的ケア」へ|大森老人ホームの導入事例

見守りセンサーの導入は補助金の後押しもあり広がりを見せていますが、実際の現場ではどのような変化が起きているのでしょうか。東京都の大森老人ホームでは、カメラを使わない見守りセンサー「シルバーシールド」を導入し、夜間における入所者の転倒リスクへの対応に活用しています。ベッドや居室に設置したセンサーが入所者の動きを常時とらえ、変化があった際にはスタッフへ通知が届く仕組みです。導入後は、転倒してから駆けつける事後対応ではなく、動き出しの兆候を早めにキャッチして声かけや訪室につなげる「予防的ケア」への転換が進んだといいます。あわせて夜間巡回にかかっていた職員の負担軽減にもつながっており、限られた人員でも入所者の安全を見守りやすくなった点が評価されています。

押さえておきたいポイント

  • カメラを使わない非接触型センサーでプライバシーにも配慮
  • 事後対応から「予防的ケア」への転換が進んだ
  • 夜間巡回の負担軽減にもつながっている

出典:養護老人ホームの転倒対策に非カメラ型見守りセンサーを導入|大森老人ホーム様の事例

AIが転倒を検知する時代へ|「mirAI-EYE」に見る技術の広がり

見守り技術の進化は、AIによる画像・骨格認識の分野でも進んでいます。グローリー株式会社がエコナビスタ株式会社と共同開発した転倒検知システム「mirAI-EYE(ミライアイ)」は、赤外線3Dセンサーで入所者の姿勢を立体的にとらえ、AIが転倒のほか、起き上がり・端座位・離床・ずり落ち・横たわりまで含めた6つの動作を検知する仕組みです。検知結果は見守りシステム「ライフリズムナビ+Dr.」と連動し、事務所の管理PCとスタッフのモバイル端末の両方に通知が届きます。2026年6月に開催された「看護フェア2026」にも出展されており、現場での関心の高さがうかがえます。カメラ映像そのものを見るのではなく骨格の動きから状態を判断する方式のため、入所者のプライバシーに配慮しながら見守りの精度を高められる点が特徴です。

押さえておきたいポイント

  • AIが骨格の動きから転倒を含む6つの動作を検知
  • 見守りシステムと連動し、管理PCとモバイル端末の両方へ通知
  • プライバシーに配慮しながら精度の高い見守りを実現

出典:高齢者施設の安心・安全をAIで見守る転倒検知システム「mirAI-EYE(ミライアイ)」

まとめ

令和8年度の介護テクノロジー導入支援事業は対象分野が広がり、障害福祉分野の事業所にとっても見守り機器導入の後押しとなる制度に変わってきています。あわせて、非カメラ型センサーやAIによる骨格認識技術など、現場で使いやすい見守りの選択肢も増えてきました。まずはお住まいの都道府県の公募状況を確認し、自施設に合った機器と補助制度の組み合わせを検討してみてはいかがでしょうか。


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この記事の監修
監修者 塙啓之

塙 啓之はなわ ひろゆき
株式会社はなひろ 代表取締役

介護業界で25年以上、現場・介護施設の管理者・ケアマネジャー(介護支援専門員)を経験。2013年に株式会社はなひろを設立し、福島県須賀川市・郡山市・矢祭町でデイサービスなどの介護事業所を運営しています。一般社団法人 全国介護事業者連盟 福島県支部 副支部長。

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