2026/08/28

介護テクノロジー導入支援事業の補助率引き上げとAI分科会実践報告に見る2026年8月の介護DX最新動向【介護事業所の経営者・管理者向け】

毎月のように新しい補助金や実証実験のニュースが飛び交う介護DXの世界。「結局うちの事業所は何から手をつければいいのか」と感じている経営者・管理者の方も多いのではないでしょうか。

今回は、2026年8月に動きがあった「補助金制度」と「AI活用の現場報告」という2つの角度から、今押さえておきたい最新動向をお届けします。

令和8年度介護テクノロジー導入支援事業、補助率引き上げで申請受付が本格化

2026年4月7日に厚生労働省が都道府県へ実施要綱を発出したことを受け、介護ロボットやICT機器の導入を支援する「介護テクノロジー導入支援事業」の令和8年度分の公募が各地で進んでいます。大阪府(5月25日〜7月13日)、栃木県(6月5日〜8月10日)、愛媛県(6月12日〜7月17日)など、都道府県ごとにスケジュールが異なり、随時最新情報が更新されている状況です。

福岡県では令和8年7月24日から交付申請の受付が始まりました。補助率は対象経費の4分の3以内で、見守り・コミュニケーション機器や介護業務支援ソフトなど重点分野の機器は1台あたり30万円、移乗支援・入浴支援機器は100万円が上限額の目安です。あわせて使用する情報端末(タブレットやスマートフォンなど)は1台10万円以内が補助対象となっています。なお、令和8年8月3日にはリース契約時の経費の考え方についてQ&Aが修正されるなど、申請中の事業所にとって見逃せない更新も続いています。交付決定前(または令和8年4月1日より前)に購入した機器は補助対象外となるため、導入を検討している事業所は必ず交付決定後に契約・購入する順序を守る必要があります。

押さえておきたいポイント

  • 令和8年度の介護テクノロジー導入支援事業は都道府県ごとに公募期間が異なり、随時更新されている
  • 福岡県の補助率は対象経費の4分の3以内、重点分野の機器は1台30万円、移乗・入浴支援機器は100万円が目安
  • 情報端末(タブレット・スマホ等)は1台10万円以内が補助対象
  • 交付決定前の購入は補助対象外になるため、申請〜交付決定〜購入の順序を必ず守る

出典: 福岡県庁「令和8年度福岡県介護DX支援事業費補助金」 / 介護のニュースサイト「都道府県の実施状況まとめ」

日本介護経営学会「AI分科会 第2回実践報告会」に見る記録AI活用の現場

2026年8月1日、特定非営利活動法人・日本介護経営学会が主催する「AI分科会 第2回実践報告会」が開催されました。介護現場では人手不足や記録業務の負担増を背景にAI活用への期待が高まる一方、「導入したものの効果を実感できるかは現場によってばらつきがある」という声も根強く、具体的な実装事例やノウハウの共有が求められてきました。

今回の報告会には、介護記録システム「Blue Ocean Note」を提供する株式会社ブルーオーシャンシステムが登壇し、AI機能の利用状況や導入施設で得られた効果、今後の展望を発表しました。また、介護業界特化型のシフト作成・管理サービス「カイテクシフト」を手がけるカイテク株式会社も、現場で稼働するAI活用事例や、職員が利用者と向き合う時間を広げる取り組みについて報告しています。こうした事例発表は、AIツールを検討する事業所にとって「導入して終わり」ではなく「現場にどう定着させるか」を考える手がかりになります。

押さえておきたいポイント

  • 2026年8月1日、日本介護経営学会主催「AI分科会 第2回実践報告会」が開催された
  • 介護記録AI「Blue Ocean Note」、シフト管理AI「カイテクシフト」など複数の現場活用事例が発表された
  • 現場の関心は「AI導入の有無」から「どう定着させ効果を出すか」に移りつつある
  • 他社の実践報告は、自法人でのAI活用を検討する際の具体的な判断材料になる

出典: 株式会社ブルーオーシャンシステム 登壇レポート

まとめ

補助金制度もAI活用も、共通しているのは「使いこなせて初めて意味がある」という点です。令和8年度の介護テクノロジー導入支援事業は都道府県ごとに条件や締切が異なるため、まずは自事業所のエリアの実施状況を確認することから始めてみてはいかがでしょうか。

また、AI分科会のような実践報告の場は、自法人に近い規模・体制の事例を探すヒントになります。制度と現場事例の両方にアンテナを張りながら、無理のない範囲でDXを進めていきましょう。


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この記事の監修
監修者 塙啓之

塙 啓之はなわ ひろゆき
株式会社はなひろ 代表取締役

介護業界で25年以上、現場・介護施設の管理者・ケアマネジャー(介護支援専門員)を経験。2013年に株式会社はなひろを設立し、福島県須賀川市・郡山市・矢祭町でデイサービスなどの介護事業所を運営しています。一般社団法人 全国介護事業者連盟 福島県支部 副支部長。

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