2020/03/17

Column: 「オレンジカフェポエム」における塙さんの存在の重要性

「オレンジカフェポエム」とは、2013年12月にデイサービスセンターポエム(郡山荒井)で、株式会社はなひろの代表取締役を務める塙啓之さんが「認知症カフェ」として始めたカフェで、2015年4月に郡山市や社会福祉法人、公益社団法人「認知症の人と家族の会」に委託されたのに伴い、名称を「オレンジカフェポエム」に改め、今や、自主開催を含め郡山市内14箇所で、月毎にオープンされ、多くの席が埋まる。「オレンジカフェポエム」のお客さんにお話を伺うと、塙さんへの信頼や感謝が一際浮揚したので、ここに記す。

若年性認知症を患うFさんは、コーヒーとお菓子の持ち運びの手伝いをスタッフに頼まれていた。「認知症患者に何でもやってあげるのは決して親切ではなく、やらせることも必要。」と「家族の会」の遠藤さんはその意図を述べた。

Fさんは、「若くして認知症を患ったため、体は元気なのに、仕事や運転ができなくなったのが苦しかった。塙さんが病気や介護を意識することなく、普通に話してくれるのが嬉しい。」と闘病の葛藤や塙さんの理解を語り、笑顔で手伝っていた。また、Fさんと塙社長は、認知症と診断され手放そうとしていた愛車を譲り渡すほどの近い距離感にあり、「乗ってもらえて良かった。たまに見れて嬉しい。」と幸せそうに話してくれた。

父の付き添いで来たWさんも「塙さんがスタッフの方と共に参加してくれるのが嬉しい。ここの人なら信用できる。」と厚い信頼を寄せる。

塙さんは「オレンジカフェ」を地域貢献活動の一環と位置付けているため、利益は必要ないと考えており、ボランティアスタッフと同じスタンスで自らも参加している。結果的に、塙さんの社会的信用度が増し、採算以上に大切な繋がりが生まれたとのことだ。また、利用者の方々にも経験者同士で寄り添い、日々の苦労や相談に始まり何でもない日常までもを共有し、「人と人が繋がるきっかけ」を提供することを目指している。つまり、塙さんが標榜する地域の共助で福祉が行われるメカニズムの再興のための種が、塙さんがオレンジカフェに取り組む理念や地域への愛により着実に蒔かれていたのだ。

「福ひろば」インターンシップ生

立命館大学2回 石上温大