2021/03/05

郡山の医療と介護 インターン生によるインタビュー②

みなさんこんにちは。

はなひろインターン生によるインタビュー第二弾です!

今回は、郡山市のモミの木クリニック・院長をされている福井謙医師にインタビューをさせて頂きました。福井先生は、はなひろの塙社長とお知り合いということで、塙社長の協力をもとにお話を伺う機会を頂くことができました。

 

郡山の医療や、医療と介護の連携について、ヒントがたくさん詰まっていると思うので是非読んでみてください。

 

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学生「本日はお時間頂きありがとうございます。よろしくお願いします」

 

福井先生「よろしくお願いします」

 

学「まず、塙社長とどういった経緯でお知り合いになったのか、気になります(笑)。良かったら教えてください」

 

福「はい(笑)。中学の時の同窓生に介護系の仕事をしている人がいて、そのつながりで紹介してもらいました。歳も同じということで、打ち解けました」

 

学「なるほど、そうだったんですね。ありがとうございます。

では本題の質問に入らせていただきます。まず、先生が今どういったお仕事をされているのか教えてください」

 

福「現在は郡山市内で診療所をやっていて、家庭医療専門医と呼ばれる医師が私を含めて2名と、歯科医師が1名います。もともと祖父が郡山で代々診療所を開いていたということ、それから震災の影響もあって6年前にこちらに開業しました。それまでは宮城、東京、沖縄などの僻地医療に携わっていました。仕事内容としては、主に診療所での外来診療や、お宅に行って診療する訪問診療も行っています」

 

学「よく分かりました。ところで、コロナによる影響というのはどんなものがありましたか」

 

福「基本的に、末期の患者さんで具合が悪くなる可能性が高い方は入院したほうがいいのだけど、家族と会えなくなることが懸念され、在宅医療を望む声が増えましたね。あとは、施設でクラスターが発生する懸念というのは常にあります」

 

学「そうなんですね。早く収束することを願うばかりです。

では次に、仕事の魅力ややりがいを教えてください」

 

福「病気を治すことはもちろんですが、一番の魅力は、患者さんの生活に深く関われることですね。生活で困っていることを一緒になって考えていきます。

あとは、生活に深く関わるからこそ、社会的な問題(制度等で患者さんが悩んでいること)に取り組めるということもあります」

 

学「診療所ならではの魅力ですね。逆に、つらいことはありますか」

 

福「やっぱり大きな総合病院とかと違って、医者が集まって勉強会をする、情報交換をするといったことが難しいので、医療が遅れていないか不安になる時がありますね。あとは、単純に夜中に起きなきゃいけない時はつらいです(笑)。」

 

学「なるほど(笑)。

では仕事をするうえでいつも気を付けていること、大切にしていることはありますか」

 

福「なるべく、相手の世界に入り込むようにしています。この人はどういう背景があってここに来たのかな、と。そうすることで、分かることがたくさんあるんです」

 

学「たしかにそうですね。とても大事なことですね。

では次に、郡山の医療についてお聞きします。郡山の医療の現状や課題を教えてください」

 

福「郡山市内は診療所が多くて、ここの近くにも似た施設がありますね。特徴としては、市内には私立の大きな病院が4つもあって、市立病院は無いんです。私立病院というのは、救急とか最先端の医療に力を入れがちで、総合的に診る医者とかそういう分野に興味を持つ人が少ないと感じますね。その結果、今ニーズも高まっている在宅医療の分野が進まないという現状があります」

 

学「そういう現状があるのですね。よく分かりました。

次に、医療と介護の連携についてお聞きします。実際に、介護の現場と連携することはありますか」

 

福「ありますね。限界集落で働いていた時は、みんな仲が良く、介護スタッフと医療スタッフで気軽にご飯を食べたりしていましたね。田舎だからこそできることかもしれません。

一方で、まだまだ介護側と医療側の距離感というのはどうしてもあって、それをどう縮めるかというのは大きな課題だと感じます。介護職の方たちが自分たち医師に遠慮してしまうということもあるので、私の診療所では医療系のLINEのようなツール(MCS)を連絡手段に使って、敷居を下げようとしています。コロナの前は飲み会を開いたりしていました。

また、個人的に介護と医療のリンクというものには興味があって、例えばまさにこの福ひろばのようなプラットフォームを利用して、介護を医療と繋げられたらいいなとも思いますね」

 

学「なるほど、とても参考になります。介護と医療が垣根を超えてお互いに連携できたらいいですね。

以上でインタビューを終わらせていただきます。お忙しい中お時間を下さり、本当にありがとうございました」

 

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インタビューを通して、福井先生がどんな想いで郡山の医療に携わっているのか、どのように患者さんと関わっているのかがよく分かりました。特に「なるべく相手の立場になって考えるようにしている」という言葉が印象的でした。また、「介護と医療の連携」という新しいテーマが見つかり、今後のインターン活動でも取り組んでいけたらと思いました。

私達自身、このインターンで医師の方にもインタビューができるとは思ってもいませんでした。改めて福井先生、貴重な機会を頂き、ありがとうございました。

 

モミの木クリニック院長 福井謙医師

 

インターン3期生

金本すず・松永玲央奈